1. はじめに:春休みに読んだ、40年前のベストセラー

こんにちは、ユニマネ!のkaiです。

大学の春休み。来月に迫った韓国旅行の準備や自動車学校の合間を縫って、最近ある一冊の本を読みました。 外山滋比古(とやま・しげひこ)氏の著書、『思考の整理学』です。

1986年に出版され、今でも「東大生・京大生に一番読まれている本」として有名な大ベストセラーなので、タイトルだけは知っているという方も多いかもしれません。

私も「文系の大学生として、教養のために一度は読んでおくか」くらいの軽い気持ちで手に取ったのですが……ページをめくるうちに、雷に打たれたような衝撃を受けました。

「これ、そのまま今の『投資の世界』に当てはまるじゃないか!」

この本は、決して投資のテクニックを語った本ではありません。しかし、情報が溢れかえる現代において、「自分の資産を守り、増やすための最強のメンタル本」として読むことができるのです。

今回は、19歳のインデックス投資家である私が、『思考の整理学』の有名なフレーズをお借りして、「自分の頭で考える投資」の重要性について語ります。

2. 「グライダー人間」と「飛行機人間」

この本の中で、最も有名でハッとさせられるのが「グライダー」「飛行機」の例えです。

どちらも空を飛ぶ乗り物ですが、決定的な違いが一つあります。それは「自分のエンジンを持っているかどうか」です。

  • グライダー人間: 先生や親から引っ張ってもらって(教えてもらって)、初めて空を飛べる人。知識を吸収するのは得意だが、自分から新しい風を起こすことはできない。
  • 飛行機人間: 自分のエンジンを持ち、自力で飛び立てる人。誰かに引っ張ってもらわなくても、自分の頭で考えて行動できる。

著者は、「日本の学校教育は、優秀なグライダー人間を作る訓練ばかりしている。しかし、社会に出たら自力で飛ぶ飛行機人間にならなければいけない」と警告しています。

日本の学校教育へ対する警鐘を鳴らしています。

これを読んだ時、私は自分のスマホ(証券アプリとXの画面)を見てゾッとしました。

「今の投資ブームに乗っている人の多くは、見事なまでの『グライダー投資家』ではないか?」

3. 投資における「グライダー」の危うさ

投資の世界における「グライダー人間」とはどんな人でしょうか。

  • YouTubeで「今はこの米国株が熱い!」と言われたら、そのまま買う。
  • インフルエンサーが「暴落が来るから全部売れ!」と言ったら、パニックになって売る。
  • 「なぜその銘柄を買ったの?」と聞かれても、「〇〇さんがおすすめしていたから」としか答えられない。

彼らは、SNSのアルゴリズムや他人の発信という「牽引ロープ」に引っ張られて、一時的に空を飛んでいる(利益を出している)だけです。 順調に風が吹いている(相場が良い)時は、グライダーでも優雅に飛べます。だから「自分は投資の才能がある」と勘違いしてしまいます。

しかし、投資の世界では必ず風が止む(暴落する)時が来ます。 引っ張ってくれていたインフルエンサーは、責任を取ってくれません。牽引ロープが切れた時、自分のエンジン(根拠・哲学)を持たないグライダー投資家は、ただ墜落して市場から退場するしかないのです。

4. 僕のエンジンは「簿記・FP」と「歴史」

では、投資における「自分のエンジン(飛行機になるための力)」とは何でしょうか? それは「なぜ自分はその投資をしているのか」という明確な腹落ち(哲学)と、それを支える「金融知識」です。

私が「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」を買い続けているのは、誰かに言われたからではありません。 過去の資本主義の歴史を学び、どれだけ暴落があっても世界経済は右肩上がりで成長してきたという事実を、自分の頭で理解して納得したからです。

他人の「おすすめ」は、あくまで参考にするだけ。 最終的に「自分の大切なお金をどこに置くか」の操縦桿は、絶対に他人に握らせてはいけません。

5. 情報の「発酵」と「忘却」を投資に活かす

『思考の整理学』には、もう一つ面白い概念が出てきます。 それは、アイデアを生み出すためには、情報を集めるだけでなく「しばらく寝かせて発酵させる(忘れる)時間が必要だ」という教えです。

これも、インデックス投資の極意と完全に一致しています。

私たちは毎日、スマホから大量の経済ニュースを浴びています。 「日経平均が史上最高値!」「アメリカの金利がどうのこうの」「円安が止まらない!」 これらの情報を毎日追いかけて、その度に投資設定をいじっていては、ノイズに振り回されるだけで資産は育ちません。

本物の資産形成は、お酒や醤油を作るのと同じです。 優良なファンド(オルカン)を仕込んだら、あとは証券アプリを閉じて、「忘れる(寝かせる)」のが一番の正解なのです。

10年、20年という時間をかけて市場の荒波の中で「発酵」させることで、初めて複利という名の美味しいリターンを味わうことができます。 毎日の株価チェック(情報の過剰摂取)は、発酵中の樽を毎日開けてかき混ぜるようなもので、せっかくの資産をダメにしてしまいます。

見つめるナベは煮えない

6. まとめ:自分の頭で考え、自分の意志で気絶する

1986年に書かれた『思考の整理学』は、インターネットもスマホもない時代の本です。 しかし、「自分の頭で考えることの重要性」は、情報過多でAIが答えを出してくれる現代だからこそ、より一層の輝きを放っています。

私が運営するこの「ユニマネ!」も、読者の皆様に「これを買え!」と指示する牽引ロープ(グライダーの親機)になるつもりはありません。 あくまで、私が自分のエンジンで飛んでみた記録(失敗も成功も)を共有する場所です。

これからの時代、お金の不安から解放されるのは「情報通」ではありません。 「自分の頭で考え(飛行機になり)、自分の意志で市場に居続け(発酵させ)る人」です。

皆さんもぜひ、春休みのまとまった時間に『思考の整理学』を手にとってみてください。 株価のチャートを1時間睨みつけるよりも、よっぽど将来の「資産」になるはずですよ!

【本日のまとめ】

  • 誰かのおすすめを買うだけの「グライダー投資家」は、暴落時に墜落する。
  • 金融知識(簿記・FPなど)と歴史を学び、自力で飛ぶ「飛行機」になれ。
  • 情報は浴びるだけでなく「忘れる(寝かせる)」ことで、資産も思考も発酵する。

当サイトの情報は個人の見解であり、投資の勧誘を目的としたものではありません。また、投資による損益について一切の責任を負いません。

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